最近、親しい農業関係者から恐ろしい話を聞いた。
ある生産者グループが自分たちの作った農産物の硝酸態窒素を測定したところ、10000mg/kgをはるかに超える測定値が出たそうだ。数百グラム食べると、WHOの硝酸の致死量4gに値する。
(WHOの4gは急性暴露、メトヘモグロビン血症からの数値)
このグループは「このまま内緒にして売ろう」「こんなん食ったら死んでしまう、廃棄するしかない」など、意見が真っ二つに割れ、大騒動しているとのこと。
通常なら殆ど測定などされずに消費者の口に入っていることを思えば、測定しようという気持ちだけはましではあるが・・・。
農産物の硝酸態窒素の問題は今後大騒ぎになることだけは間違い無い。
消費者側も無知ではすまされない。
自分の命は自分で守るしかないのだ。
・恐ろしい話その2
昨年、ダイオキシンやPCB等の処理で日本中を駆け回っている社長に聞いた話。
社長:「○○地方の米は絶対食べてはいけないよ」
私:「なにが危ないんですか?」
農地のダイオキシンを調査して分かったそうだが、通常なら立ち入り禁止になる値が出たそうなのだ。極秘情報とのことである。
昔から美味しいお米で有名ということは、それだけ長年にわたり量産のために大量の除草剤や農薬を使用し続けたことになるのだろう。
こんな土地で育った米を玄米で食べ続ければいったいどうなるのか?
考えただけでも身の毛がよだつ。
ダイオキシンはぬかなど脂肪に溜まりやすい。
健康に良いはずの玄米もこうなれば逆効果である。
いよいよ常識が通用しない時代になりつつあるようだ。
・私が日常食べている米はもちろん完全に無農薬である。この素晴らしい米を作ってくれているEさんの安全に対する意識の高さは日本一である。 しかし、近隣グループ内のすべての農家の農産物が優れているかといえば、農法に関しては統一するなど一筋縄ではいかないのが現状である。
農家にとっていくら安全な農産物を生み出す農法だと訴えても、いきなり農法を変えることは死活問題なのだ。もし、収穫量が減ったらどうなるのか?
誰も保障などしてくれない。
安全な農産物を必死で栽培してきた良識あるEさん、金儲けとは到底無縁である。
なぜなら一般の農産物と同じ価格で農協に手渡しているからだ。自分だけが良いものを作って金儲けしようなどという、姑息な考えは毛頭ないのだ。
完全に無農薬で栄養的価値の高い農産物の一部は結構市場に出回っている。
それもなんの表示もされず・・・。もったいないことしかり。
本物を見分ける能力も大切である。
・恐ろしい話その3
以前、九州のある農協関連の大きな集荷施設を見学した時のこと。
夕方になるとトラックが何台か連なってやってきた。
私が「あれは何をしに来たトラックなのか?」と農協幹部の息子さんに尋ねると、「見てくれの悪いくず野菜を生協などに有機栽培と偽って売るため、毎日仕入 れに来ている業者の車だ」との話。 そういう悪質な業者や、チェックのずさんな生協の話は過去に幾つか聞いたことはあるし、事実、西宮の市役所に豆腐の偽装表示で呼び出され注意されている生 協のえらいさんを目撃したこともある。しかし、ここまで堂々と日常的にこんな事が行われている事実を垣間見てさすがに辟易した。
さらに、お米の袋詰めの工程を見学した時に彼に聞いて驚いたことがある。店頭で販売されているお米はひとつの銘柄の新米だけを詰めて売られていると思って いたのだが、大きな勘違いであることに初めて気がついた。有機栽培で丹精込めた新米や他の銘柄のお米、さらに古米も一緒くたにされて袋詰めされるのが現実 であるようだ。彼に聞くと普通の事だという。
驚くべき貴重な体験ばかりであった。